意識の高い人達の1日を妄想する
出典:http://jigokuno.com/cid_84.html
意識の高い人達の1日
目覚ましの鳴る5分前に目を覚ました。
昨夜のジョブが終わらずに寝落ちしてしまったらしい。
眠気眼で覗いた空は青く、どこまでも高かった。
今日は友達と六本木のカフェで新規プロダクトのローンチに向けたMTGがある。
スーパーフードを流し込んだ俺は、駅へと向かった。
News Picksで昨夜のニュースに目を通しながら、MTGのアジェンダをチェックする。個人的にはIot技術とホログラムを融合させたGate boxがアツい。
駅に着くと彼が待っていた。
「おはよう!」
爽やか声が耳を抜ける。
端正な顔つきに柔和な笑顔、人より頭半分出ている彼のルックスは、非の打ち所がなかった。
「お待たせ。それじゃあ、さっそく始めようか!」
コーヒーを相棒に、俺たちは窓際の席についた。
「前回話したプロダクトに関して、プロジェクト内でコンセンサスが取れたよ。ただ、このスキームに関してはアウトソーシングが必要になるから外部とアライアンスを組む必要がある。やっとソリューションまでのプロセスが形になってきた。」
「そうか。俺の方でもいくつか当てがあるから、メッセしてみるよ」
俺は、チャットワークを開いた。彼は見た目もさることながら、タスク処理能力も高い。これまでデッドに遅れたことは一度もなかった。彼にはバッファは不要らしい。ロジックとリーダーシップも兼ね備えており、これまでインターンの選考に落ちたことがないらしい。
天は二物を与える。天の神様だって気分屋なのだ。
六本木のカフェには、リクルートスーツを着た学生が目立っていた。そわそわしながら、アクティブリスニングをしながらメモをとっている。恐らく就活生だろう。
夏のインターンで5つほど内定を頂いた俺たちにはほとんど関係のない世界だ。
俺は、リクルートスーツすらまだ買っていなかった。
「話変わるんだけどさ、このあとフリー?よかったらランチ行かない?」
「わりー。今日ニクリーチ経由でランチスカウト来ててさ。焼肉ご馳走になってくるんだよね」
ニクリーチやサポーターズ、WantedlyやOffer Boxなど、好みの学生を企業側からスカウトすることができるサイトは多い。学生も企業もWin-Winの関係だ。
今日のランチスカウトはITベンチャー企業からだった。ビジョンは共感したものの、少しドメスティックである印象を受けた。どの程度まで事業をスケールするつもりなのか聞いてみよう。
「おっけ!んじゃ、今日はこんな感じで。とりあえずアライアンスの件はよろしくね。コミットする準備は整ってるからさ。メッセはASAPでよろしく」
「りょうかい。んじゃまた」
彼はよく喋る。1伝えれば分かることを3伝えてくる。それでも不快感を抱かない彼の話し方は本当に不思議だ。
六本木を出た俺は、恵比寿へ向かった。
携帯を見ると、FBの友達申請が来ていた。
「誰だ?まあいいか。許可しますっと」
友達の数が2000人を突破した。
おしまい。