オレ、やっぱり海外で働きたいわ

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生まれ変わったら何ができるようになりたい?

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「生まれ変わったら何ができるようになりたい?」

 

そう聞かれたら僕は迷わず

「ダンスができる人になりたい」と答えるだろう。

男に生まれようが女に生まれようが、ダンスは魅力的だ。

  

渋谷駅から5分ほど歩いただろうか。

森を模したその建物には、首を長くして誰かを待つ人達の姿があった。

後輩と待ち合わせた僕は、友人から指定されたクラブハウスへ向かった。

アクアリウムがレイアウトされている階段を降りると、クラブミュージック独特の重低音が聞こえてくる。

「おー!まさ!久しぶり!今日は来てくれてマジでありがとうね!」

 

ネイビーのキャップに赤のシャツ。

高校時代に最も仲が良かった女友達の1人である彼女は、大学でもダンスを続けていた。

「めっちゃ久しぶりだなー!楽しみにしてるから頑張ってね!

 

1週間前、風呂上がりの僕のもとへ1通のLINEがきた。

「3/5に高校の友達と一緒に踊るから見に来てよ!

僕の通っていた高校は、ダンス部が盛んだった。

実績はよく分からないが、可愛い子の大半はダンス部だった。ダンス部の大半は可愛かったという表現の方が正しいかもしれない。

可愛い子は目立つ。

そんな子がダンスを踊っているのだから、必然的にダンス部は目立っていた。

 

文化祭の時に最前列でダンスライブを見たことをきっかけに、僕はダンスにハマった。

最前列は、野球部で埋め尽くされていた。

大学でもダンスを続ける友人が多かったこともあり、ライブがあれば度々連絡がくるようになっていった。

 

大学に入ってから、今回で8回目のダンスライブだ。

別々の大学に進んだ彼女達だったが、今回は久しぶりに高校の同級生でユニットを組むらしい。

二つ返事で行くと言った僕は、 普段よりも眉毛を細くカットして会場に向かった。

 

ダンスは、自分の体一つで表現する。

そこに地位や肩書きは関係ない。

人は、その人本来の能力を垣間見た時に感動するのだろうか。

ダンス独特の動きや表現は、毎回僕の胸を熱くさせる。

 

クラブハウスに響い渡る重点音と心臓の鼓動が重なり、心地よかった。

 

「今日は見に来てくれて本当に!!ありがとう!!

ハツラツとしたその表情を見ると、自然と笑顔になる。

「こちらこそ!いやーもうクソカッコ良かったよ!」

「マジでありがとう!4月にまたあるから近くなったら連絡するよ!」

 

渋谷を出た僕達は池袋へ向かった。

出国前に、また一つ楽しみが増えた。

 

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